クラウンローチの導入

 こんなサイトに来てくださるのですから、このコンテンツを見ている方は、クラウンローチを飼っているか、飼いたいなと思っていらっしゃる方が多いのではないかと思うのですが、このお話は主にこれからクラウンローチを飼おう!と思われている方や、クラウンローチを買ってきたのだけど、すぐにトラブルが起こるのでどうすればよいのかと思われている方に向けたコンテンツです。
 クラウンローチを買う前から水槽に導入するまでの注意点などをまとめてみました。クラウンローチをはじめるために必要なことはクラウンローチをはじめように書いてありますので時間のある方はそちらもあわせて読んでみてください。
 また、掲示板でお話をうかがったり、私の経験を振り返ってみますと、クラウンローチの飼育での難しい点の一つに、水槽への新しいクラウンローチの導入が挙げられると思います。クラウンローチを迎えたら、水槽に病気が蔓延してしまったとか、すぐに死んでしまったとか、そういうお話を伺うたびに、なんともいえない気分になりまして、そんなトラブルが少しでも少なくなればと思っております。
 クラウンローチに限らず、新魚を迎えるというのは、楽しいものですが、同時にかなりのリスクもあります。ベテランの方の水槽に病気が出にくいのは、魚が死ににくいために、新魚を買ってくる機会も少ないことが理由の一つに挙げられるのではないかなと思います。そんなリスクを少しでも低くしたいので、私が実践したこと、調べたこと、気をつけているポイントを中心に書いてみたいと思います。全部やらなければいけないわけではありませんし、私もやっていないこともあります。またクラウンローチの調子を見ながらやり方を変えることもあります。ですので、皆さんの環境で、できる限りのことをしてあげるためのアイデアとして読んでいただければと思います。


■前の日の晩までに考えること

●水草水槽にはあまり向きません
 個人的な意見ですが、クラウンローチは、水草育成や水景を主体に考えた、”水草水槽”には向かない魚だと思います。
 場合によっては水草を食害する事があるからです。また、砂を掘り返しますので、せっかく植えた水草を引っこ抜くこともあります。さらに、水草水槽ではソイルなどの底砂を使っている関係上、底砂掃除がおろそかになりがちですし、何よりも底面が全て覆われるほどに水草を密殖する場合も多く見られますので、クラウンローチには少し過酷な飼育環境だと思います。これはコリドラスなどの低層魚全般に言えることですね。もちろん、多少の食害に目をつむることができて、クラウンローチが掘り返せる砂場を綺麗に保持できる環境であれば、水草水槽でも問題なく飼えますよ。

●観賞魚かどうかは疑問です(笑)
 クラウンローチはとにかく隠れるのが大好きで、隠れ家の多いレイアウトなどにしておくと、全く出てこないこともあります。ですので、テトラ類のように常に綺麗な姿が見えていてそれを楽しむという感じではない場合があります。楽しみ方としては、餌を食べに出てきたときとか、何かの拍子に見れたときにそれを見逃さないようにするというふうになりそうです。
 水槽環境になれてくるとけっこう良く出てくるようになりますので、そういう風に飼い慣らすのも楽しみかと思います。たまに、はじめから全く物怖じしない個体も居るんですが…。


■買いに行く前に決めること、調べること、準備
 クラウンローチを買いに行く前にいくつか確認と用意をしていきましょう。

●病気のチェック
クラウンローチは導入時に白点病になりやすいという性質がありますので、今ある水槽で白点病などの病気の魚が出ていたり、少し前に死んだ魚が居たら、連れてくるのは病気が落ち着くまでしばらく我慢しましょう。病気が治っても最低1週間は再発しないことを確認してください。

●新規水槽には?
新規立ち上げの水槽は一般的に病気が出やすい上に治療も難しく、また濾過能力も低いことが多いですので、水を汚しやすいクラウンローチを入れるのはあまりお勧めではありません。ですので、少なくとも他の魚を飼育して1ヶ月以上は経過した上で、病気の出ていない水槽を用意してくださいね。

●混泳について考える
 次に今居る魚たちをみて、その魚たちと混泳しても大丈夫かどうかを調べます。混泳などの事例を参考にして、考えてみてください。混泳に関しては、絶対に大丈夫とか、絶対に無理とか、なかなかいえない部分がありますので、その他にもネットの情報なども考慮すると良いと思います。またクラウンローチを入れることで、水槽が過密になり過ぎないかどうかも考えてくださいね。

●飼育匹数は少なめにしましょう
 クラウンローチは結構大きくなる魚です。長く飼っていれば水槽でも10センチくらいにはなると思います。ですので、生涯飼育を考えた場合、水槽には意外と数を入れることができません。私の個人的な意見ですが、水量10〜15リットルに1匹程度が限度ではないかと思っています。理想を言えば、30リットルに1匹くらいが良いのかなと思いますが。それと、水槽の底面の短辺の長さが20センチは欲しいと思います。
 そう考えますと、ぎりぎり40センチの規格水槽で飼い始められて、60センチ水槽で3、4匹、90センチ水槽で10匹程度と言ったところが妥当だと思います。他にも魚がたくさんいれば数は自ずと減ります。

●飼育匹数は多めにしましょう
 上の文章と矛盾してるんですけど、クラウンローチはなるべく複数飼いしてあげてください。群を作る習性があり、寂しがり屋ですので。ただし、小さな水槽の場合ですと、単独になるのも仕方がないと思います。どちらかというと、少な目を基本に、水槽の容量に余裕があるのであればなるべく多く入れるという感じがよいのではないかと思います。

●隠れ家はあらかじめ用意
 クラウンローチは物陰に隠れる性質があります。特に小さい頃は隠れたがりますので、隠れ家は必要になります。ですので、あらかじめ隠れられる場所を水槽の中に用意してあげてください。隠れ家いろいろに隠れ家の例を紹介してありますので、参考にしてみてください。

●トリートメントの準備
 今回は慎重な導入ということですので、水合わせして飼育水槽に即投入ということではなく、トリートメントすることを基本に考えます。できればトリートメント用の水槽一式(水槽、ヒーター、濾過器)があればいいのですが、無ければ、水槽に浮かべられる深めのプラケと、エアレーションのためのセット(エアポンプとチューブとエアストン)でも構いません。投げ込み式の濾過装置などがあればなお良いです。また落ち着かせるためにトリートメント水槽やプラケに入れられる隠れ家も準備しておいてくださいね。

●持ち帰るための準備
 蓋がきちんと閉まる発泡スチロールの箱か、保冷袋などを持って買いに行きましょう。クラウンローチは急激な温度変化(特に温度の低下)に弱いですので、寒い季節には必ず用意しましょう。


■お店で決めること、買ってからのこと
 実際に買おうとするクラウンローチを前にしてのチェックポイントです。お店の選び方とか、いろいろとありますけど、はじめての場合には、近くのお店で、買うしかなかったり、魚を実際に見てもよくわからなかったりしますよね。ですので、ぱっと見てわかって、特に重要そうな事だけを書いておきます。

●白点病のローチを買うのはやめましょう
 お店に居る時点ですでに白点病を発症しているローチを買ってくるのはリスクが高すぎますのでお勧めできません。そのローチを治せるかどうかもわかりませんし、その水などが現在ある水槽に入った場合に、白点病を持ち込んでしまうことも十分に考えられますので、しっかりと観察して、白点病ではないローチを買ってきてくださいね。それと、白点病の初期症状として、しきりに底砂や流木に体をなすりつけることがあります。それも白点病の疑いがありますので、買わないほうが無難です。また、たとえ欲しいローチが白点病でなくても、白点病のローチの居る水槽から買うのもやめたほうが良いと思います。
 ですが、お店で白点病にかかっているローチが現実には、結構居るので厄介なところです。トリートメントがしっかりしている、同じローチが長く居る場合などは病気の確率も低いですから、そのようなローチが狙い目です。なるべく管理の良いお店で買いたいところですね。
 ちなみに気に入ったローチがいて、どうしても白点病の水槽から欲しい場合ですが、きちんとトリートメントすることで、回復させられる場合もあります(こちらにうどうあとりさんの例をご紹介します)。しっかりと準備をすることと、きちんとした病気の判断や処置ができることが前提です。それからおそらく運がよくないと立て直せない場合も多々あると思いますので、それを覚悟した上でやってくださいね。もちろん、そのときの水などが飼育水槽に入らないようにすることだけは十分にお気をつけください。

●他の病気や怪我でもやっぱりやめましょう
 白点病ばかりでなく、ぐったりしていたり、体の一部に異常が見られるなどの他の病気の兆候がある場合、ヒレが欠けていたり、体に傷があるの怪我の場合には、その個体はもちろん、その水槽からの購入もリスクが高いので避けてくださいね。クラウンローチをはじめようにも同じようなチェック項目がありますが、これらのこと、できる限り見てみてくださいね。
  • 痩せていないこと
  • 綿のようなものが付いていないこと
  • ヒゲやヒレが溶けていたり、かけていないこと
  • 目が落ちくぼんでいたり、逆に飛び出したりしていないこと
  • 体に傷が付いていないこと
  • 体の模様がくっきりしていること
  • お腹やえらの付近に充血や出血がないこと
  • 元気があること(ただし異常なほどに動き回っているのは避ける)
  • 入荷したてではないこと(少なくとも1週間以上たっていること)
  • 飼育水が水色や黄色ではないこと
●1匹ずつパックしてもらいましょう
 なかなか言いにくいかもしれませんが、クラウンローチなどのボティア類は狭いところに入れられるとパニックになって、仲間に噛み付いたりすることもあるようですので、複数を購入したときには、お店の方にお願いして1匹ずつパックしてもらうようにしましょう。また、水量が多い方が水の温度も水質も変わりにくいのでそういう意味でも分けてパックしてもらうのは良いと思います。

●とにかくさっさと家に帰ります
 他の買い物があるときには買い物を先にしてしまって、クラウンローチを持ち歩く時間を最小限にとどめてください。特に冬や夏など、お店の水の温度と気温がかなり違う場合にはクラウンローチを持ったままぶらぶらと歩き回るのはやめましょう。発泡スチロールや保冷袋に入れてなるべく揺らさないように、素早く持ち帰ります。


■買ってきたら

 買ってきたらすぐに水槽に入れて他の魚たちと泳がせたいところなのですが、それはちょっと我慢して、トリートメントをしてみましょう。10日ほどかける方法を書いていますので、その中からできる範囲でやってみてくださいね。

●温度あわせをします(これは必ずやりましょう)
 トリートメント用の水槽があればそこに、プラケでしたらプラケにお店の水ごと全部移してしまいます。その上で、温度あわせをします。水槽でしたらヒーターで飼育用の水槽と同じ温度にしてあげてください。プラケでしたら、飼育用の水槽にそのまま浮かべて、温度をあわせます。そのときからエアレーションをして、酸欠にならないように気をつけてくださいね。また明るいと騒ぐことがありますので、その段階で隠れ家を入れ、なるべく暗くしてあげてください。トリートメント用の水槽でも、プラケでも、ローチが気が立っている事が多いですので、飛び出し防止のために、きちんと蓋をしてください。この時点で餌はあげなくても大丈夫と思います。

●病気などのチェック(これは必ずやりましょう)
 お店で見てきたと思いますが、もう一度クラウンローチを良く見てください。怪我や病気の兆候などは無いでしょうか?またぐったりしていたり、動きがおかしいところは無いかもチェックしてくださいね。それで問題が無ければ、次に行きます。問題があれば、そのまま薬浴して治療しましょう(病気などの治療に関してはこちらを参照してください)

●水合わせと共に水量を増加させる(これは必ずやりましょう)
 温度合わせが終わったら、そのまま1日くらい置いておきましょう。先は長いのでゆっくりです(^^)。
 その後、ローチが落ち着いたようでしたら、飼育水槽から少し水を足しましょう。あまりにも水量が少ないと水質が急変しますので、水合わせの要領で、とにかく時間をかけて、徐々に水を増やしていきます。ショップの水がどんどん薄くなっていきますが、倍に薄めるのに1時間程度はかけてくださいね。水槽やプラケが溢れそうになったら半分くらい水を捨てて、また同じくらいの割合で徐々に水を追加していきましょう。ほとんど飼育水槽の水と同じになったら、なるべく水量を多くして水合わせは終了です。

●餌をやってみる
 飼育水槽でメインであげている餌を少量入れてみます。それで食べてくれればまずは一安心。10分くらい待っても食べてくれなければ、餌は取り出して、別のえさをあげて見ます。それも食べなければ、まだ取り出して…と、3種類くらい試してみて、食べなかったらその日はあきらめましょう。また水を半分程度捨てて、食べ残しや糞を掃除し、飼育水槽からその分を足しておきます。

●とりあえず10日くらい様子を見る
 上記の”餌をやってみる”を毎日続けていると大抵は慣れてきて食べるようになると思います。ここまでで、飼育水槽であげている餌にきちんと慣らしておくと安心ですのでこの段階で餌付かせておくのは是非やってみてください。どうしても餌を食べない場合には、冷凍アカムシやブラインシュリンプような嗜好性の高い餌から徐々に慣らしていくと食べることが多いです。
 また飼育しながら病気を発症しないかどうかもチェックしておきます。もしも病気になった場合には、そのまま薬浴して治療しましょう(病気などの治療に関してはこちらを参照してください)。餌を食べないことが慣れていないのではなく、エロモナスなどの病気の場合もあります。判断は難しいところですが、ぐったりしていたり、泳ぎがおかしいときにはそれも疑ってみましょう。

●いよいよ水槽に入れる
 10日ほどたっても病気が出なければ大抵、病気の持ち込みに関しては大丈夫と思いますので、飼育水槽に入れてください。そのときに万全を期して、水合わせをすると良いと思います。


■水槽にいれてから

 水槽に入れてからもしばらくは新しく入ったローチをよく観察してください。他の魚たちとの相性なども、入れてみないとわからない部分はありますし、きちんと隠れ家を見つけて落ち着けたかどうかや、餌が行き渡っているかどうかも気になるところです。また、飼育水槽に入れてから環境変化によるストレスで病気になる場合もありますのでそれも注意が必要です。
 それらに問題なければ、導入に関しては成功したと言ってよいと思います。


■最後に
 以上、クラウンローチの導入について、なるべく詳しく、お節介気味(^^;に書いてみました。上記のことを全て実行されると、あまり失敗無く導入できると思いますが、事情によっていろいろとできること、できないことあると思いますので、ポイントだけははずさすに、できる限りのことをしてあげてください。それが、買ってきたクラウンローチと、これまであった水槽の平和のためでもあると思います。クラウンローチとの素晴らしい出会いを期待しております!

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